0.プロローグ?
前略、暑いですね。
早速?ですが、「年金関係への個人的見解」をつらつらと書いていきます。

1.2.は法の解釈や法の紹介を書いていますので長くなっていますが、これでも大まかに書いていますので、読みにくくはないと思いますがどうでしょうか。 文章表現には自信はありません。 また、自分の考え方や解釈が正しいとは思っていません。 しかし、経験が浅いうちにしかできない、経験が浅いうちなら許されるかもしれない(調子のいい奴)『体当たり的なとりくみ』があるのです。 私の見解をお読みいただき、願わくばご意見やご感想を私宛の e-Mail でいただければ幸いです。 自分の意見や感想を多くの方に知ってもらいたいとおっしゃる方は、掲示板をご利用されるという方法もあります。 私の見解に問題があると○○さんが判断した場合は、○○さんの裁量で削除なりの対処をされて結構です。
1.世代間扶養と家族扶養
    〜私は納めない。でも納めてきた親はもらって当然。〜
    〜あなたの親がもらっているのなら、あなたは納めるべき。〜
ここでは国や制度に対する不平不満は考えないで下さい。

公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)は、老齢、障害、働き手の死亡、のいずれかにより所得が少なくなった(所得がなくなった)『世帯』に対して支払われるものです。 有事の『世帯』を援助するには、家族扶養や親族扶養よりは国民全体で支える仕組みのほうが、一般的にはより安定したより高額な年金給付となります。 当然、援助を受けるには援助をした実績が必要です。 ただし、国民年金には保険料の免除という制度があり、援助ができない『世帯』に該当する被保険者は免除制度を利用することにより、援助をした実績がなくても援助を受けられます。 が、『世帯』といっても年金を受給する権利があるのは『個人』ですので、ここの解釈に大きな歪みが生じています。

「私は保険料を納めない。でも納めてきた親は年金をもらって当然(親にはくれてやってくれ)。」
「保険料を納めるか否かは子の問題。でも納めてきた私は年金をもらって当然。」


年金受給権者が過去に納めた保険料は、その人の親が受給した老齢年金でもあります。 国を経由してはいますが、お金の流れは老齢年金に関しては子や孫から親です。 不幸にも少額の年金や一時金しか受給したことがない世帯や家系もあるでしょうが、一般的に考えれば、世帯や家系全体で納めた保険料よりは受給した年金額のほうが多いはずです。

また、年金の財源は受給権者本人が過去に納めた保険料ではなく、現在の被保険者が納めている保険料です。 (これを賦課方式といいます。) 100%の納付があってはじめて成り立つ制度ですので、保険料を納めない人がいると、損をするのはキチンと納めている人と受給権者です。

年金制度がなければ、高齢者や障害者に対して扶養をする一番手は家族や親族ですよね?  扶養の内容は金銭面に限定されたものではありませんが、高齢者や障害者が年金を受給できるとなると、金銭的に助かるのはその家族や親族です。 保険料を納めない(≠納められない)家族や親族がいる受給権者は、法的には受給権があっても人道的には受給権はありません。 扶養すべき者が扶養せずして、見ず知らずの人に扶養してもらうのが当然とは言わせません。 保険料を納めない家族や親族を持つ受給権者からは受給権を剥奪してもいいと考えています。

「あなたの親が年金をもらっているのなら、あなたは保険料を納めるべき。」
「あなたへの年金給付額を下げられたくないのなら、あなたの子は保険料を納めるべき。」


ただし、事情があって保険料の免除が適用になっている方々は別です。 以上を踏まえて、この拙文をお読みの皆様が年金保険料をキチンと納めているならば、滞納という行為に物申してみてください。

ここからは脱線しますが、本来の扶養の意味を考えると、
1.年金受給権者を不案内な職に再雇用する(公務員にありがち)よりは、職を探している若者(20歳以上60歳未満)にその職を提供するべき。
  → 扶養(負担)義務者に扶養(負担)能力を与えろ。
2.日々の生活には年金を、余暇(≠余命)の楽しみには貯蓄を充てるべき。
  → 見ず知らずの若者から遊ぶ金まで負担してもらうな。
だと思います。所得のない若者が減れば滞納者は減りますし、必要以上に年金をあてにしなければ、負担額や負担率を下げることができますよね。

さて、国民年金法および厚生年金保険法には『未納』という言葉はなく、正しくは『滞納』であり、滞納には罰則があります(さかのぼって支払い可能な2年以内であれば、『未納』という言葉を行政側は使用しているようです)。 理由に関係なく、滞納は明らかな犯罪です。 厚生年金保険法は事業主責任として罰則が適用されますが、国民年金法は罰則が適用されるケースは非常に稀です。罰則が適用されないことに甘えている滞納者が多いことは事実です。 ただし、罰則が適用されない限り犯罪者ではありませんので、少し注意が必要です。

なお、共済年金保険法は勉強不足で不案内です。
2.制度の一元化は絶対必要でも実現不可能
    〜一元化と保険料滞納対策とはまったく別物〜
制度の一元化の話は国民年金保険料の滞納問題から派生したとか、滞納問題が一元化を難しくしているように説明されている場合があります。 でも、できる限りの滞納防止には、給与天引きという事業主協力(≠事業主責任)と税方式を取り入れるしかないでしょうね。
「うちの給与は13,300円やら6,650円(半額免除)が払えないようなもんじゃない! 社会の規律が守れない奴は雇わない!」
私の実家も事業を営んでいますので、事業主はこれくらいの気概がある人物であってほしいという願望があります。

さて一元化ですが、私は共済年金保険法は不案内なので、ここでは国民年金と厚生年金との間の保険料と給付に関する主な違いをご紹介します。

まず、保険料に関する主な違いは下記のとおりです。
・国民年金(国民年金の第1号被保険者)
 1.法定免除、申請半額・全額免除、学生納付特例がある。
 2.保険料の前納、追納の制度がある。
・厚生年金(国民年金の第2号被保険者)
 1.保険料を被保険者と事業主で半額ずつを負担する。(労使折半)
 2.被保険者の被扶養配偶者(国民年金の第3号被保険者)は国民年金の保険料を納付することを要しない。
 3.育児(≠出産と介護)休業期間中の徴収の特例がある。

次に、給付に関する主な違いは下記のとおりです。
・国民年金
 1.老齢基礎年金は原則65歳以降に支給される。
 2.障害基礎年金給付は障害等級1級と2級のみ。
 3.遺族基礎年金は『高校生以下の子のある妻』または『高校生以下の子』に支給される。(夫は対象外)
 4.『高校生以下の子のない妻』には寡婦年金が支給される。(夫は対象外)
 5.掛け捨て防止という名目の死亡一時金がある。
・厚生年金
 1.老齢厚生年金は生年月日により60歳以降65歳未満の間も支給される。その後の減額もない。(生年月日により異なる)
 2.厚生年金の被保険者期間が20年以上あれば、老齢厚生年金に加給年金という扶養家族手当が加算される。
 3.障害厚生年金給付は障害等級1級から3級まで。
 4.上記に該当しない障害に障害手当金(一時金)が支給される。
 5.遺族厚生年金は、配偶者または子、父母、孫、祖父母に支給される。
 6.『高校生以下の子』に該当しない子には、遺族基礎年金に相当する額を加算した遺族厚生年金が支給される。

厚生年金の保障が手厚いのは、事業主責任があるからです。 共済年金も厚生年金と似たようなものでしょうが、公務員共済年金の保障って、誰の責任で手厚いのでしょうかね?  私個人は、公務員は国や地方に雇われているのではなく、国民に雇われていると考えています。 公務員を雇っている国民年金の第1号被保険者にしてみれば、自分より公務員のほうが待遇がいいことを快くは思わないでしょう?

「自分の子の育児より、公務員の子の育児の面倒をみるのか?」

公正さに欠ける制度は一元化により是正すべきです。 また、妻のみを対象としている部分は、男女平等とか男女共同参画をうたう今日の社会としては瑕疵(かし:法的に何らかの欠陥・欠点のあること。)と認めるべきです。

上に列挙したものは違いのすべてではありません。 また、どちらかに統一すればいいわけでもありません。 というのも、厚生年金も国民年金もここへきて赤字だからです。 公務員共済の収支は把握しておりません。 ちなみに日本の公的年金制度では3.4人の被保険者で1人の受給権者を支えています。(年金扶養率) そのうち厚生年金は3.5人、国家公務員共済は1.9人、地方公務員共済は2.3人の年金扶養率です。 ですから、はじめに保障ありきで一元化を考えると持続可能な制度とはなりません。

ここまで考えると、仮に持続可能な制度に一元化された法案ができあがったとしたら、年金システムに大幅な変更が発生します。 なぜなら、40年以上は既存の法案をも当てはめなければなりませんから、一元化されたシンプルなシステムとはいきません。 そんなデータベースシステムを翌年の3月末までに完成させることは、大きなリスクを背負うことになるでしょう。 技術者のあなたは、このようなシステム変更を請け負いますか?  こんなことを考えていたら、こんな事件が発生しました。 また、「年金の話は怖くてしょうがない。 年金相談の仕事のために専門の保険(社会保険労務士賠償責任保険)に入っている。」とおっしゃる先輩社労士が多数いらっしゃることも付け加えておきます。
3.上級国家公務員に操られている政府・与党
    〜法律案を作るのは常に関係省庁〜
今回の年金改正法案は厚生労働省の年金局で企画立案され、与党を経由して内閣が国会に提出し、審議の結果可決されました。 まぁ、今回に限ったことではありませんが・・・。 国会議員や官僚の国民年金滞納問題で、いかに国会議員が法律を知らないかがお分かりになったでしょう?  年金改正法案の作成指示は、小泉首相 → 坂口大臣 → 厚生労働省 という流れではありますが、具体的な指示ではありません。 法案を作ったのが厚生労働省であり、国会議員が法律を知らない以上、どこが与党であっても法案は同じです。 経済界の反発も保険料率を抑えるにとどまりました。 厚生労働省としては、まさか民主党が対立案を出してくるとは思っていなかったのではないでしょうか。 でも、消費税を法案に盛り込んだだけで、所詮は負担と給付にのみ言及しています。 負担と給付がもっとも大きな問題ですから、まずはそこからといったところでしょうか。

今でこそ私は偉そうに文章を書いていますが、雇用保険、健康保険、年金の仕組みは社労士の受験勉強を通して初めて知りました。 前々から知っていれば、退職前後の保険料や保険給付で損をすることはなかったでしょうね。

さて、社会保険庁長官に民間人の村瀬清司氏が起用されました。 議員などから不作為を指摘されても、坂口大臣の社会保険庁の改革私案に対しても、面の皮が厚かった社会保険庁が少しでも変わるのでしょうか?  「1人じゃだめだ。数十人規模でサポート。」ということは、裏を返せば、今までの改革路線は寄って集って周りが潰してきたのかもしれません。 ですが、まずは手はじめに、流用した国民年金・厚生年金保険料(橋本内閣の時代に正式に決定したものだそうです。(^^;)を国家公務員共済年金の保険料で補填してもらいましょう。
4.グリーンピアその他の箱物は行政だけの責任か?
    〜日本人がオリンピック、ワールドカップで造ったもの〜
福祉事業という名のものとに、雇用保険、健康保険、厚生年金、国民年金がそれぞれの保養所関係の施設を設置、運営しています。 これらは日ごろ保険の恩恵を受けていない被保険者、つまり、失業していない人、健康な人、若い人などへ保険料を還元する目的で設置されました。 この目的そのものには意義があり、異議はないと思われます。 問題は利用価値、利用目的、地理的にそれぞれが互いに相乗効果がないこと、採算を念頭においていないことでしょうね。 なぜグリーンピアだけが問題視されているのかは解せません。 また、福祉事業以外にも箱物はたくさんあります。 日本人がオリンピックやワールドカップで何を造ったのかを考えると、箱物造りは日本人の国民性なのかもしれません。 あの日はあんなに熱狂したことは確かですが・・・。

さて、自宅の近所に通称・元市民会館という集会場があります。 昔は市民会館という名前でした。 市民会館のころは音楽祭や映画祭という華やかな催しに利用されていましたが、今は祭りの練習やフリーマーケット、難民救済物資の収集場、マラソンの開会式場などに利用されています。 充分にペイできているであろう老朽化した建物なのですが、その壁面に『1964年 国民年金還元融資施設』と書いてあることに先日気が付きました。 キチンと有りモノを使い切っていた時代もあったのです。 日本人はどこかで何かが狂ったのでしょうか。
5.非常勤公務員、箱物職員と雇用創出
    〜あなたがここを利用するから、私は仕事をしなくてはならない。〜
国民年金保険料の滞納者でなくても、グリーンピアには怒りの矛先が向いています。 国民年金推進員として訪問した先でも、この件を口にする人はたくさんいらっしゃいました。 でも、そんな人でさえ、私の「そこで働いている人もいるんですよ。」という一言で口を閉ざすことが多いです。 皆さんのお知り合いにも国や都道府県、市町村、第三セクターの施設で勤務されている人がいらっしゃるでしょう?  雇用創出を考えると、非常勤公務員や箱物職員という立場を否定することはできません。 施設の閉鎖でゴッソリ失業者が増えては、社会にいい影響が出るとは思えません。

とは言っても、そんな施設のすべての職員の肩を持つわけではありません。 キチンとした広報、営業、サービスなどで健全な運営をすれば誰も文句はないわけです。 刺激的な表現をしますが、そんな施設では何もしなくても給料がもらえてきたわけですから、気力の萎えた人、その職に不案内な人にはうってつけの職場でしょうね。 夏に寒いほど、冬に暑いほどエアコンを使用しても誰からも文句はないようですし。

「あなたがここを利用するから、私は仕事をしなくてはならない。」
「あなたがここを利用しなければ、私は仕事をしなくても給料がもらえるんだ。」
  (旧ソ連のホテル従業員)

そんな人が年金受給権者であるならば、1.の世代間扶養と家族扶養でお話ししたことにつながるわけです。 世間では65歳までの継続雇用とか再雇用が盛んに言われてますが、これらが労働者の権利のように報道するのはいかがなものでしょうか。 能力があれば職場とその仲間がその人を望むのです。 逆に能力がなければ、年齢や年数に関係なく、そんな人やそんな企業、そんな施設は淘汰されてしかるべきです。 とにかく、非常勤公務員や箱物職員にあっても、無造作な継続雇用や再雇用は即座にやめてほしい。 そして、たとえ能力や実績はなくても、働く気力のある若者に雇用機会を与えてほしい。
6.エピローグ?
ひょっとすると、皆さんは私が国や国会議員などをボロカスに言うことを期待されていたかもしれません。 そのような書き方もできなくはないでしょうし、そちらへの見解が少なかったかもしれませんね。

保険料を滞納していた議員は、滞納分を納めるだけでなく通算の滞納期間に相応する減給処分などの制裁を自ら申し出るべきです。 また、社会保険庁はくだらないCMを作るよりは、庁が被保険者や受給権者に対して行っている取り組みや法の仕組みをキチンと広報するべきです。 社会保険庁の広報が行き届いていないようであれば都道府県社会保険事務局が、事務局の広報が行き届いていないようであれば社会保険事務所が独自に広報するべきです。 尻ぬぐいのように戸別訪問で保険料納付や免除申請を催促したり、障害・遺族年金の存在や仕組みを説明する非常勤職員への給与を予算で取るよりは広報の予算を取るべきです。 国民の怒りが静まるのを待つだけではなく、自らを律することをしてほしいですね。

公務員や議員である前に国民であってほしい。私はそのように願っています。草々。
Copyright(C) 2006  Office Nishikawa  All Rights Reserved.